202510/16掲載
2025年秋 高知旅日記8 宿毛の夜は、『酒と肴 直』
知らないと通り過ぎてしまう、町中の店だ
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今夜の予定を聞かれて、結局、与力水産さんに市内の店に案内して頂くことになる。
有田専務が連れて行ってくれたのは、『酒と肴 直』という真新しい店であった。
中に入ると明るくて清潔、店の方も凄く親切である。
さりげなく技を見せてくれた最初の一皿
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板前さんの名前が「直」らしい。
有田さんもまじえて、まずは生ビールをいただく。
出て来たのは「なすの煮浸し」であるが、だしのうま味が控えめなのがいい。
味つけも上々。
これだけで期待してしまう、のはボクだけではないと思う。
なんと10年振りのめじかの新子
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次いで出て来たのは「めじかの新子」である。
マルソウダの1年魚で、久礼での新子漁に乗船して以来なので10年ぶりだ。
ぶしゅかん(モチユ)あってこその新子だが、食感が強く鮮度抜群なのは地元で仕入れたものだからだろう。
「めじかの新子」はやはりうまい!
赤、赤、白身で土佐らしい調和が取れている
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比較的小振りの皿で出てくるのだが、適量なのがいい。
カツオ刺身・すまあぶり(ヒラソウダ)・オオモンハタの刺身が2切れずつ。
すべてこれ以上ない鮮度だが、すま(ヒラソウダ)が素晴らしい。
脂はほどほどだが、ヒラソウダのおいしさは脂にはあらず、というのが如実にわかる。
焼き物にも一工夫してあるのがいい
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次の皿にはタチウオの塩焼きが乗っていた。
ていねいな仕事で酒の肴として骨を取っているのがうれしい。
酒飲みにはこんなところがよろしい、なー。
その上、大根おろしがなんだか面白い食感だと思ったら、鬼下ろしを使っている。
高知に来ると必ず食べる塩たたき
里芋は愛媛から、も食べると納得できる
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さて、魚続きすぎだなと思ったら、里芋の天ぷらが来た。
素晴らしい里芋で、品種を聞いたら愛媛の「伊予美人(不確かです)」らしい。
ここで芋を持ってくるなんざ、憎いね、と立川談志をまねて、ぼうずコンニャクは申し上げます。

