
イシガレイは産卵期が長いのでマコガレイなどと比べて旬がはっきりしない。
時季を読むのが難しい。
慎重に選んで、よしと見て買い求めた。
実際下ろしてみると脂がある。
カレイ科の魚の脂はのっているときでもべったりではなく、指についてもさらりとしている。
しかもまだ身がしまっていない。
あまりにも新しすぎるので、下ろして夕方まで寝かせた。
後は薄めに刺身に引くだけである。
食べてみて、はやりイシガレイは活魚に限ると思った。
食感がよく、それだけでおいしく思える。
その後から来るうま味も豊かである。
こくがあるのは脂があるためだと思う。
カレイ目にはスダチが合うので、買っておいたのも正解だった。
醤油・わさびもいいけど、塩・すだちもいい。
今季初イシガレイに初夏を感ず、だ。
イシガレイはあまり一般的ではなく、食べたことがある人はとても少ないと思う。
ただマコガレイと比べるとお買い得なので、活魚を見つけたらぜひ刺身をお試し願いたい。
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以上は過去にも書いている。
これをまとめてみた。
広島県倉橋島、日美丸さんにいただいたマダイで、作った料理は。
骨蒸し、刺身(24日、25日、26日と味の変化をみるために)、皮霜造り、腹も塩焼き、鯛潮、白子天ぷら、あらとゴボウの煮つけ、腹もと竹の子の炊き込みご飯、オイル焼き。
計11品だ。
それにしても上等のマダイは高いけど、1尾をいろいろ料理すれば安い、安すぎることがわかるだろう。
最後にオイル焼きは便利という話を書きたい。
刺身にしたときの切れっ端や、食べきれないとき。
そんなときには塩コショウして置き。
水分が出て来たら拭き取り、ラップでも袋でもいいので密閉する。
この時、オリーブオイルをまぶしてマリネーしてもいい。
これで1週間は持つ。
フライパンにオリーブオイルににんにくを加え、香りづけした中でソテーする。。
焼き揚がったら、今度はガス台のグリルに入れて上火で焦げ目をつける。
ただ単純にソテーするだけでもいい。
倉橋島のマダイは白子が膨らんでいたにも関わらず、味があった。
でも振り塩をして1週間ほど寝かすと、余計に味が増す。
熱したオリーブオイルの中でうま味がぎゅっと凝縮するし、表面が香ばしい。
一緒に食べたクロワッサンをついつい置き去りにしてしまう。
3割方、余計に味があるように思える。
にんにく風味のオリーブオイルでソテーし、焼き目をつけただけなのに大層うまい。
クロワッサン1つに、キウイ、トマトに、日東紅茶のティーバッグでお昼ご飯とは、体調不良とは言え、健康的すぎるだろう。
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「なぎたん(長方形の野菜を切る包丁)」でキャベツを切ることから始める。
小麦粉を溶き、卵を割り入れて、キャベツを入れて、カッカッカッカと匙で生地に空気を含めるように混ぜるのが基本。
カッカッカッカと匙で、は徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)特有のものかと思ったら、徳島市内でも兵庫県でも大阪府でも奈良県でも同じだった。
今では1枚に卵は2個、それに高級なコウイカを加えるなんて、びっくりしたな、もー、だ。ついでに少しだけ塩で、最近マヨネーズも。
フライパンに油を入れて、熱くなったらゆくり真ん中が盛り上がるように流し込む。
別にボクだけがやっていることだろうけど、できるだけ早く裏返す。
これまたボクだけのことだろうけど、絶対に上から押さえない。
蓋をして火を通す。
ふたたび裏返してやや強火にして、蓋をしないで香ばしく焼き上げる。
このとき何度かひっくり返して焦がす。
最後にイカリソースの「関西あまから」を塗ってマヨをかけて出来上がりだ。
見た目は超いい加減、作り方もウルトラC級にいい加減だ。
板東粉と鰯粉をかけたが、撮影時にはかけていない。
これが実においしいのは、明らかにコウイカのせいだと思う。
分厚いのに硬くなく、甘味がある。
生地にコウイカのうま味が移っていることも舌で感じられる。
悲しいのはイチミツボシ、加賀屋の甘すぎるお好み焼きソースがないことだ。
やはり徳島県の田舎もんのお昼には、お好み焼きが似合う。
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当然国内各地で聞取をする必要があるが、例えば漁業者に聞いてもいいが、加工品業者、買受人(大卸・仲卸)、小売業の話も重要であり、消費者も重要だということを忘れている人がいる。むしろいちばん未利用魚がわからないのは行政、そして漁業者かも知れないという現実も知るべきだ。
また最近、未利用魚にマイナー魚を加えるなど、魚価の変動を知らずにいろいろ語る、間違ったことを言うヤカラまでいる。
魚価を知らなければ、未利用魚はわからない。そのためには、日常的に魚を買っていないとダメだが、そんな人間見た事がない。
魚類を調べ始めたときの、魚類学事始めは魚類図鑑を暗記することだった。そこから人と関わりのない魚を捨てる作業をしたが、カタボシイワシは捨てたことすらおぼえていなかった。国内では非常に影の薄い存在でしかなかった。
鹿児島県南さつま市笠沙の漁師で魚類学者の伊東正英くんから2005年に「突然、大量にとれ始めたんです」といって、送られてくるまで、魚類検索の絵でしかなかった。
1955年の『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)に新称とあるが、このときの個体は標本として残っていない。1955年なので、いまだに1945年以前の標本である可能性があり、台湾の個体である可能性も捨てきれない。とすると、南さつま市笠沙で見つかった個体が、国内海域初の個体である可能性もある。
カタボシイワシはニシンの仲間(ニシン目ニシン科サッパ属)でニシンに似ているが、触るとニシンより左右に平たく、体がニシンよりも硬い。カタボシイワシなどサッパ属の特徴は魚の体の底部分に棘のある鱗が並んでいることだが、この部分がとても刺々しい。
インド洋、インドネシアからオーストラリアと生息域の広い魚である。国内では1955年以前には標準和名がなかった。
これが2012年には相模湾にも現れ、2021年には千葉県鴨川市でも見つかっている。
ちなみに、2005年前後に鹿児島県に現れる以前、1900年から2000年にかけて国内では採取されていなかったようだ。(『千葉県から得られた分布東限記録のニシン科魚類カタボシイワシ』畑晴陵 、佐土哲也、中江雅典)。
この謎だらけの魚が国内で大量に揚がるとどうなるか? すでに見つかって20年以上になるのに流通上ではほとんど見ることがないのだ。
かといって無視できる量ではない。
他の魚に混ざる程度ならいいが、トン単位で未知の魚が揚がるととてもやっかいである。ほぼ魚粉などになり、直接人の口に入らないという意味で2025年現在明らかに未利用魚である。
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日本各地で車を走らせると食材でいろんな国に行くことが出来る。
世界中の食材の店があり、クスクスなどもいろんな国のものが手に入る。
クスクスの戻し方は、群馬県大泉町のブラジルスーパーで会ったオバチャンが伝授してくれたもの。
クスクスと同じ量よりも少し多めの水を沸かして、クスクスを入れて、塩とオリーブオイルを入れてかき混ぜて火を止める。
10〜15分蒸らす、というもの。
これを皿に盛り上げて、コウイカのトマト煮込みをかける。
ずんずんとクスクスがトマト煮込みの汁を吸い込んでいく。
トマトと一緒に煮込んだイカは食感があるものの、柔らかいままで甘味がある。
短時間しかイカを煮ていないのに、煮汁にもしっかりイカの風味が移っている。
汁を吸ったクスクスはそんなにうまいとは言えないが、やはりうまいのかも知れないと思う、不思議な味である。
日東紅茶をでかい器で作って、これがボクの昼ご飯なり。
ちょっとパサついて、微かに苦味のあるクスクスにとてもトマト煮込みが合う、というのも発見である。
クスクスはまだ何箱かあるので、時々日常に活かしていきたい。
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30g前後の小イカのゲソを抜き、消化中のものなどを流し、ゲソをもう一度体の中に入れて、水分を切り、焼き串で四方八方から突き刺す。
小麦粉をまぶして分厚い衣をつけて中温で揚げる。
順調だったのは始めだけ、部屋中油まみれになるし、飛んできた油に襲われるは……。
だまってもらってきたのでバチが当たったのかも。
二度目の挑戦は丸ごとゆでてゲソを外して、消化中のエサなどを、ていねいに洗い流す。
とにかく墨とワタだけ体内に残してゲソを体に刺し込んで、焼き串で徹底的に突き刺す。
念のために少し置いて水分をよく拭き取るなどする。
小麦粉をまぶして、厚めの衣をつけて中温で揚げる。
形は不格好になったが、無事揚がる。
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必ず酢のものを食卓に、がボクの日常である。
マアジを酢締めにするのは日常茶飯事となっているのも酢愛からだ。
今回のは酢締めというよりも、酢で洗っただけ。
2尾なのでたっぷり食べたいだけ食べる。
この日、マアジとマルアジの刺身を食べているのに、酢洗いを食べても、刺身の延長戦とは感じない。
今回のマアジは脂がのっているので、生酢でしめても味にこくがある。
2尾分作って半合の酒で、全部食べきって仕舞いそうになるのを我慢して半身分残す。
それにしても酒に合う。
夕方、半合の酒を飲み、資料読みをする、のが最近のボクでもある。
〈人の問いたるに 知らずしも〉などと、時間を消費する。
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新潟に行くと必ず買ってくるもので、石川県でも買ったことがあるし、沖縄県のスーパーにもあってビックリして買ったことがある。
こんなに常備していて便利な食材はないと思う。
だいたい夏だと20分くらい水に漬けておくと、柔らかくなるし、冬でも1時間はかからない。
あとは搾って煮るだけだ。
戻してだし・醤油・みりんでたいたものをカツ(フライ)にしてもいい。
ちなみにボクは日本中どこに行っても麩を買うことにしている、麩愛あふれたデブである。
繰り返しになるが、あまりにもありふれた、日常的なものなので、過去にちゃんとデータ化していなかったので、麩のフォルダーを作りテキストを添えてデータを作ろうと思う。
写真は新潟県三条市のマルヨネという会社のものだ。
この会社のサイトを見たら、グルテンを金属のパイプのようなものにグルグル巻き付けて焼き、またグルテンを巻き付けて焼くことでこの断面模様ができるみたいだ。
一度でいいので焼きたてを食べてみたい。
十日町市のスーパーでお徳用として売られていた。
常備する食材はお徳用が、おとくよ、だと思っている。
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