
50cm SL 前後になる。頭部は骨質板に覆われる。側扁し体高が高いがツボダイと比べると体高は少し低い。全体が茶褐色もしくは灰色もしくは黒で模様がない。背鰭曲は13-14。[32cm SL・836g]
クサカリツボダイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![50cm SL 前後になる。頭部は骨質板に覆われる。側扁し体高が高いがツボダイと比べると体高は少し低い。全体が茶褐色もしくは灰色もしくは黒で模様がない。背鰭曲は13-14。[32cm SL・836g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/57/Thumb630/20250711540.jpg)
![50cm SL 前後になる。頭部は骨質板に覆われる。側扁し体高が高いがツボダイと比べると体高は少し低い。全体が茶褐色もしくは灰色もしくは黒で模様がない。背鰭曲は13-14。[32cm SL・836g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/57/Thumb630/20250711496.jpg)

![50cm SL 前後になる。頭部は骨質板に覆われる。側扁し体高が高いがツボダイと比べると体高は少し低い。全体が茶褐色もしくは灰色もしくは黒で模様がない。背鰭曲は13-14。[30cm SL・618g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/57/Thumb630/20220528498.jpg)

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	- 珍魚度・珍しさ ★★★
 がんばって探せば手に入る
- 魚貝の物知り度 ★★★★
 知っていたら達人級
- 食べ物としての重要度 ★★★★
 重要
- 味の評価度 ★★★★
 非常に美味
 分類顎口上綱硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目カワビシャ科ツボダイ属外国名学名Pentaceros wheeleri (Hardy, 1983)漢字・学名由来漢字 草刈壷鯛 Standard Japanese name / Kusakaritubodai
 由来・語源 阿部宗明の命名。和名「くさかり」は東京都水産試験場に勤務していた草刈正氏が八丈島の標本を提供したことにちなんでいる。ツボダイに近い種であるために「つぼだい」がつく。
 阿部宗明は本種を新種ではなく、南極海に近い海域にいる Pentaceros richardsoni Smith, 1844 としている。
 〈1954 昭和29:底釣で釣れる通称「ケンケン」なる魚、阿部宗明博士の研究で新種と分かり、この魚に注目した八丈現業場(水産試験場大島分場八丈現業場)の草苅正の名をとり「クサカリ・ツボダイ」と命名。〉『八丈管内漁業関連史料』(平成3年3月 東京都水産試験場)
 クサカリツボダイ属(Pentaceros) 本種はクサカリツボダイ属で、Pseudopentaceros wheeleri Hardy.1983とする説がある。また加工品などで南半球のミナミクサカリツボダイ Pentaceros richardsoni Smith, 1844 も「つぼだいの干もの」となって流通する。地方名・市場名 ?生息域海水魚。水深146-500m。
 千葉県外海域、八丈島、小笠原諸島、種子島、九州〜パラオ海嶺。
 アリューシャン列島、天皇海山、ハワイ諸島、カリフォルニア沿岸。生態クサカリツボダイは各海山で11月から2月の冬季に産卵し、産卵は毎年繰り返される。
 稚仔魚は海山の表面付近に分布。その後、海流にのって北東太平洋の表層域に移動。
 幼魚期を北東太平洋で1.5~ 2.5年ほど過ごした後、各海山海域へもどってくる。
 海山で毎年産卵し、4~5年で死亡すると考えら れている。基本情報千葉県以南、伊豆諸島以南深場から知られていた。
 1960年代にカムチャツカ半島からハワイ諸島北西に伸びる海山群、天皇海山で漁場が発見され、漁業対象になる。干物など加工品になることが多いが、標準和名クサカリツボダイではなく、単に「つぼだい」として表記されることが多い。また流通上も「つぼだい」である。
 初めて加工品「つぼだいの干もの」を買って食べたのは1988年青森県青森市の市場で、だ。「ツボダイ」とあったので標準和名のツボダイのことだと勘違いし、また東北地方の地魚だとばかり思っていた。
 現在でもこの混乱は流通上多々見かける。東北の遠洋漁業の産物だと知ったのは後々のこと。都内でよりも八戸漁港や石巻漁港に近い東北の方が早く干ものが流通していたのだと思う。
 近海では、鹿児島県でときにまとまってツボダイと一緒に揚がる。伊豆諸島、駿河湾や遠州灘、熊野灘などでもときどき水揚げされている。
 漬け魚や干ものの原料として重要。特に干ものは非常に人気が高い。鮮魚は希だが、刺身などにすると非常に美味。
 珍魚度 珍魚とまではいえないが、探すとなかなか見つからない。可能性が高いのは鹿児島県などだが、手に入れるのには苦労すると思う。水産基本情報市場での評価 ときどき冷凍魚として見かけることがある。知名度がないので安い。主に干物原料として重要なもの。鮮魚は比較的珍しい。鮮魚としての一定の評価はない。
 漁法 底曵網
 産地 ミッドウェー、天皇海山
 近海では鹿児島県、静岡県、愛知県、三重県、東京都
 1967年にソ連(ロシア)のトロール船で北太平洋の天皇海山(ミッドウェーからアリューシャン列島につながる)で発見され、資源開発がなされた。日本も1969年より試験的操業を始めた。1970年代こそ2〜3万トンの水揚げをみたが、その後低調なものとなっている。選び方触って張りのあるもの。鰓がきれいなもの。目が澄んでいるもの。味わい旬は不明。
 腹と背の鱗は薄くて弱い。胸鰭下に硬い骨鱗がある部分があり、下ろすのに邪魔になる。骨はあまり硬くはない。
 透明感のある白身で脂が均等に入る。熱を通しても硬く締まらない。身離れもいい。
 ほぼすべてが遠洋でとれたものなので、生食できるものは希少。栄養ー危険性などー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)クサカリツボダイの料理・レシピ・食べ方/焼く(塩焼き、干物)、刺身(新鮮なものなら)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁、潮汁)、ソテー(ムニエル)![クリックで拡大表示]() クリックで閉じます クリックで閉じます![]() 
 クサカリツボダイの塩焼き 中から脂が染み出してきて、表面が泡立ち、焼き目は揚げたように香ばしくなる。身は液化した脂と一体となり柔らかく濃厚なうま味がある。
 水洗いして適当に切り、半身にして塩を振る。1時間以上、できれば1日寝かせる。これをじっくり焼き上げる。
 ![クリックで拡大表示]() クサカリツボダイの刺身 遠洋ものが多いが近海ものはは刺身になる。水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を取り、皮を引き、刺身にする。脂は皮下、筋肉に密に混在して乳白色となっている。切り身を舌に乗せると溶ける。この口溶け感が甘さと感じられる。クリックで閉じます クサカリツボダイの刺身 遠洋ものが多いが近海ものはは刺身になる。水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を取り、皮を引き、刺身にする。脂は皮下、筋肉に密に混在して乳白色となっている。切り身を舌に乗せると溶ける。この口溶け感が甘さと感じられる。クリックで閉じます![]() 
 ![クリックで拡大表示]() クサカリツボダイの煮つけ 水洗いして適当に切る。頭部は骨質板が多いのであえて使わなくてもいい。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよく切り、酒・醤油・水で煮る。みりん、砂糖で味つけしてもいい。煮ても硬く締まらず、身離れがいい。皮と身自体にもうまみがあってとても味わい深い。クリックで閉じます クサカリツボダイの煮つけ 水洗いして適当に切る。頭部は骨質板が多いのであえて使わなくてもいい。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよく切り、酒・醤油・水で煮る。みりん、砂糖で味つけしてもいい。煮ても硬く締まらず、身離れがいい。皮と身自体にもうまみがあってとても味わい深い。クリックで閉じます![]() 好んで食べる地域・名物料理ー加工品・名産品釣り情報ー歴史・ことわざ・雑学など安値 〈物価高の1969年でも、1キロ35円、無頭ものは1キロ60円で取引されていると聞き、あまりの安さに驚いたことがある。阿部宗明〉『新顔の魚』(伊藤魚学研究振興財団)参考文献・協力協力/魚喰民族 石田拓治さん(長崎県長崎市)
 『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
 『おさかな通信』(水産総合研究センター 平成17年2月9日)、『第62回遠洋水産研究所談話会要旨 クサカリツボダイの資源生物学的特性について』(柳本卓)

















 
					 
					

