蛸さんにもらった「かげきよ」を刺身に
見た目からしてきれい、としかいいようのない刺身なのだ

景清(チカメキントキ)は釣り師にもらっていちばんありがたい魚のひとつだ。
真夏はともかくおいしい時期が長い。
問題は釣り味がいいかどうかだけど、もらうボクには関係ないかも。
まずは醤油をちょんとつけて食べる。
ちゃんと脂が存在感を出している。
身にうま味がたっぷりあるのもいい。
なんと嫌みのない上品な味だろう。
その上、味に奥行きがある。
肝を醤油の中でつぶして、半分溶かし込む。
これを刺身で包むようにして食べる。
まあ、この味を表現するのは無理というものだ。
景清の肝は魚の中でも最上級だし、ウマスギ、としか言いようがない。
ついでにと言ってはいけないが、こりこりと心地よい歯触りの胃袋だってうまい。
うまい上に、刺身で包んで食べると不思議な味になる。
決して珍しい魚ではないが、見た目はド派手

ご近所に住む、釣り名人、蛸さん(岩崎薫さん)にチカメキントキを頂く。
静岡県熱海市初島まわりで釣り上げたもので、体長19cm・219gは本種としては平均的なサイズだろう。
産卵期は夏だ。
10月くらいから身に張りが出て、脂もつき始める。
久しぶりに10月の、チカメキントキの評価が出来る。
チカメキントキは鱗はそのまま頭を落として内臓を除去。
肝と胃袋は取り分けて、湯通しして氷水に落として適当に切っておく。
ていねいに洗って。包丁の先で鰭際から切れ目を入れていく。
ここから包丁を入れて三枚に下ろす。
腹骨と血合い骨を取り、皮を引く。
後は刺身に引く。
岩崎薫さんに大感謝、感謝。