愛知県新城市『さかえや』の桜餅など

新城市で発見した『さかえや』は品揃えがいい


オヤジでもジジイでもだれでも気軽に入れる、昔ながらの甘いもん屋を探して東奔西走。
急激に減少している個人商店を大切にしたいのもある。

愛知県一色への旅の帰り道、新城市で和菓子店を見つけた。新城市、『さかえや』という小さな店である。
新城市は長篠のある町というくらいの認識しかない。
信濃から東海、尾張地方への道筋に当たるなど、こんどじっくり歩いてみたい町である。
小さくて素朴な店だが、入ったら品揃えがいい。正面には落雁がきれいに並んでいる。
あんこ族なのでできるだけあんこものを選び、話を聞くと、やはり飾ってある落雁などで有名だったらしい。
買い求めたのは、田舎ういろう、桜並木、桜餅(道明寺)、柏餅、酒饅頭、野田城巻。

新城市は道明寺の桜餅の東限か


注目すべきは、桜餅が道明寺であったことだ。『さかえや』のご主人にきくと、このあたりが道明寺の東限ではないかという。
桜餅には西日本の道明寺粉を使ったものと、東日本の小麦粉生地(16世紀の麩の焼きが起源?)であんこを包んだものがある。
ご主人の話では静岡県は関東風が多い、という。

カシワの葉の柏餅


この店の柏餅はカシワの葉を使っている。
東日本のカシワの葉、西日本のサルトリイバラの葉の境目は個人的には福井県・岐阜県・三重県伊勢地方ではないかと思っているが、近年急速に混血化が進んでいて曖昧になっている。

愛知県なので当然あるべくしてあるういろう


愛知県らしいところでは、「ういろう」がある。名古屋市のものは羊羹に舌触りが似ているが、こちらのは柔らかく蒸している感じが強い。ボクはこっちの方が好きだ。
あんこがボク好みで、やけにうまし。

あん巻きのような野田城巻き


「野田城巻き」は焼いた小麦粉生地であんこを包んだもので、豊橋の「あん巻き」と同じ構造であるが、基本「あん巻き」である。

とてもきれいな上生菓子


「桜並木」は4月の上生菓子だけど、とてもきれいだ。
小さな町なのにこのような季節の和菓子がある、こんなところがオヤジ菓子放浪記のよさなのである。

小振りなところが和菓子屋風


さて、全国どこにでもある「酒まんじゅう」はいかにも和菓子店のもので、野性味がないのが残念だが、やはりあんこうまし。
今度必ず新城市を歩いてみたいと思っているが、そのときまでがんばって続けて欲しいものである。


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