今季初淡竹となまり節を煮る

時季の淡竹で、平凡で日常的な料理を作る


料理は平凡で日常的なものが好きだ。
大仰な料理は自宅ではやるべきではないし、やってもその大仰に見合うほどうまくもない。
飾り気が多い、盛りだくさんの要素がある料理はやらない主義のボクには、季節ごとの、季節に見合った料理しか作れない。
今回の淡竹となまり節など日本のどこでも、普通に、日常的に作られていたものだ。

煮物はディスクに座って作業しながら作れるのがいい。
15分ほどで煮染まってきたので、追いみりんして味を調えて、もう5分煮る。
この間の味見がとってもボクは好き。
ご飯なしで煮上がりを食べる。
これが茶の子(香川弁かも。お茶の友のこと)になるから不思議である。
このとき注意すべきは煮汁はすくわないことだ。
煮汁が少なくなると保存しにくくなる。
それと、なまり節と淡竹の比率である。
今回の場合、同じくらいのおいしさなので、意識しないでも半々の比率だけど、片方がうますぎるときに半々にするのは難易度がかなり高い。

これが白飯に合うのである。
これに漬物があると最強だが、今回は近所の老夫人が作っている虫食いだらけの蕪の漬け物である。
虫が食うくらいなので、いい味のいい小蕪である。

基本当座煮(少し保存しておけるおかず)であるが、もって半日でしかない。
ちょっとだけ虚し悲し。

淡竹は時季が短いので買い忘れると1年待つのだよ、となる


八王子総合卸売センター、八百角に淡竹が来ていた。大急ぎで確保して、大急ぎで帰ってゆでる。産地は不明だけど、多摩地区のどこかに生えていたの、だろう。

淡竹にあくがない、という人は竹林のそばにいる人なんだろう


淡竹に米糠、重曹は不要という人がいるし、ゆでる時間は短くてもいいという人もいるが、ボクの場合、わざわざ精米して米糠を作ってゆで汁に入れて、1時間ゆでる。
淡竹林のそばに住んでいるわけではないので、店売りはあくあり、と思うべし。
そのまま冷まして皮を剥き、水に入れて保存する。

なまり節が柔らかくなって困っているのはボクだけ、か


近年、「かつおなまり節(カツオ)」はそのまま食べるためなのか、とても柔らかい。近年、柔らかいのばかりとなっている。
世田谷区下高井戸で買ったのも、荒川区で買ったのも焼津産で柔らかいものだった。
残念ながら近所で買って置いていたものも焼津産で柔らかいタイプだ。
なかなか昔ながらのカタカタしたのがない。

ことこと煮立たせないように煮るのがコツかも


いわし・さばの混合節と日高昆布でとっただし、酒・みりん・少量の砂糖を煮立たせた中に食べやすい大きさに切った淡竹、なまり節を入れてことこと煮立たせないように煮る。


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