夏バテに煮穴子
夏には長いものを食べたいのはなぜだろう?
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夏だ、夏だ、夏バテで、穴子だ、なんて思う。
蒸し暑いし、やることが多すぎるし、で、7月になったばかりなのに滅法バテている。
こんなときには長いものがいい。
ドジョウでもいいのだけど、手に入らない。
浜名湖で買った鰻を食べて、今度は穴子を食べる。
煮立て穴子を軽くあぶって、ツメを塗って逢魔が時に本物ビールをやる。
煮穴子は舌の上で脆弱に崩れていきながら、強いうま味と、調味料の甘みが一体化する。
これをビールで流す。
脂が乗っていてまったりした味だけど夏向きのご飯になる
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翌日昼には穴子重を作る。
重にご飯を敷く。
ツメを点々と落とす。
煮穴子を強火でやいて、ご飯に乗せてツメをたらす。
口に入れた途端にご飯と一体化する穴子、そしてツメの甘さで、夏のご飯だなと思う。
ボク好みの食べ方は山椒をたっぷりかける、だ。
濃い目に淹れた十津川村の番茶が苦くてよく合う。
トリをとるのは尾しかない
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そのまた翌日はとっておきの尾を夜酒に食べる。
冷蔵庫で煮凝りに包まれた状態で皿に移し、ツメをかける。
煮凝りはあっと言う間に液体と化す。
やはり尾はいちばんうまい、と思うな、なんて思う。
静岡県藤枝市、初亀「急冷美酒」を用意したのに飲み忘れるほど、だ。
魚屋に出来ることはできるだけやってもらうべし
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八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産まで来たら「穴子(マアナゴ)」と顔があった。
大小あって、ボクは大好みなので大6.3kgを裂いてもらう。
魚屋のいいところは、後は料理するだけの状態にしてくれることだ。
ていねいな下ごしらえがうまい煮穴子を作る
火を止めてから味が入るし、時間がたつと味が変わる
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水分をよくきり、酒・砂糖・白醤油・少量の濃口醤油・水で約19分煮る。
煮る時間は箸などで触って加減する。
鍋止めをして、1時間前後置き、煮穴子を取りだし、別の容器に保存。
とろみがつくまで煮汁を煮つめて、ツメを作る。

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
イラスト図解 寿司ネタ1年生



