我がデータベース最北、男鹿沖のムツ、脂あり

秋田県男鹿半島沖のムツは素晴らしい


近藤亮さん(第八松宝丸 秋田県男鹿市)に秋田県男鹿半島沖の魚を送っていただいた。
中にムツが混ざっていた。
これが我がサイト、最北のムツである。
圧倒的に伊豆諸島以南の太平洋側に多く、日本海のものは少ないので非常に貴重である。
近藤さんには感謝しかない。

さて、今回の体長25cm・重さ299gの個体は、相模湾では深場に落ちていく途中のサイズである。
近藤さんが釣り上げた水深も120mなので、だいたい相模湾と同じではないかと思っている。

さて、男鹿沖のムツであるが、脂が乗っている。
この点でも相模湾のものと変わらない。
水洗いして三枚に下ろすと、包丁が微かに重い。
頭に近い方は皮を引き刺身にする。
ムツの脂は非常に上質でさらさらしており、下に接触するととろっと甘く感じる。
身は柔らかく舌にねっとりしている。
一昨年の兵庫県香住産同様、非常にいい。
上物といっていいだろう。

焼霜造りにすると味が複雑になる


ついでに尾に近い方はあぶり(焼霜造り)にしてみた。
一度液化した脂と熱で柔らかくねっとりした皮、身の甘さなど名状しがたい味である。

甘味のある酒を刺身に合わせてもいいのかな? と思って恐る恐る合わせた、いただきものの「氷彩」というさっぱり味のレモンハイはアリだった。

今や多少小さくても高級なムツ


ムツは北海道以南の深場に生息しているとなっているが、正確な生息域はわからないのではないかと思っている。
これを確かめるためには地道に個体を手に入れるしかない。
ちなみに千葉県以北のムツはまだ手に入れていない。
ムツの分類学的混乱は1938年以前から続いており、まだその混乱は継続中である。
■第八松宝丸は秋田県男鹿市で、赤テリ(ウスメバル)、マダラなどの釣り漁を行っています。


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