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もうかれこれ半世紀にわたって水産生物の名前を採取している。徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)生まれなので、貞光川での呼び名集めから始めた。最初の1種は「ジンゾク」(地方名もカタカナ「」つき表記とする)である。中学生の頃、「ジンゾク」=ヨシノボリとノートに書いた。次に「カワドジョウ」を調べた。「カワドジョウ」=シマドジョウとなる。「イダ」=ウグイ、「ジャコ」=オイカワで、「エッシュウ」=カマツカだ。1960年代から1970年代の採取時に必要だったのは、同定能力と聞取能力であるが、ボクにはそれが欠けていた。この情報は、後々の魚類学上の進歩で、変わってくる。「ジンゾク」=ヨシノボリは、ヨシノボリではなくカワヨシノボリになる。「カワドジョウ」=シマドジョウのシマドジョウはニシシマドジョウになる。誤解もある。貞光川で「ノミンジャコ(農民雑魚)」と呼ばれてる魚がいる。最初稚魚だとは思わなかった、小学生低学年のときはメダカ(現ミナミメダカ)だと思っていた。そう教えてくれた大人もいる。小が高校学年のとき初めてメダカを見た。吉野川右岸、ボクの住む貞光町にはメダカがいなかったのだ。中学生の時、メダカではなくウグイとオイカワの稚魚共通の呼び名だろうと気がついた。採取する人間は確かな同定(種の検索)能力を身につけ、動植物学的な進歩に添うように最新化していく必要があるのだ。例えば採取者は専門知識と歴史や民俗学など分野を越えて身につけておくべきだし、また世間を知らないといけない。
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