
10センチを超える。貝殻は硬く、うっすらとオリーブ色を帯びる。殻頂はまっすぐで曲がらない。
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	- 魚貝の物知り度 ★★★★★
 知っていたら学者級
- 食べ物としての重要度 ★★
 地域的、嗜好品的なもの
- 味の評価度 ★★★
 美味
 分類軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱イガイ目イガイ超科イガイ科イガイ亜科イガイ属外国名学名Mytilus (Crenomytilus) grayanus Dunker,1853漢字・学名由来漢字 蝦夷貽貝
 由来・語源 平瀬與一郎の命名。寒冷な北国(蝦夷)にいるイガイの意味。
 イガイの語源
 音は「異貝」の意味。「否貝」の意味。アサリなど普通の二枚貝とは形、軟体の模様が違っているという意味合い。漢字は女性器・胎(子宮、胎児をも現す)に似た貝という意味合い。Dunker
 Wilhelm Dunker(ヴィルヘルム・ドゥンケル 1809-1885)。ドイツの動物学者。ヒラサザエ、レイシガイ、オオマテガイなど国内で普通に見られる多くの貝類を記載した。
 平瀬與一郎
 hirasei, hiraseana, Neohirasea(平瀬與一郎 安政6-大正14 1859-1925 兵庫県淡路島福良)。京都で『平瀬商店(平瀬種禽園)』をいとなみ標本、特に貝殻を商い海外に輸出。貝類学の嚆矢。同郷の黒田徳米は同商店で丁稚をしながら貝類学を学ぶ。地方名・市場名 ?生息域海水生。東北から北海道の水深50メートルまでの岩礁域。生態産卵期は5月。基本情報まだイガイ類Mytilus属の同定には自信がない。
 ただし北海道からくる食用イガイ類には4形があり、Mytilus属はイガイ、エゾイガイ、ムラサキイガイの3種にあたるのではないか、と思っている。
 普通、3種が混ざっている状態で入荷していると考えている。
 関東の市場では総てムールガイとされている。
 値段は安くお買い得である。水産基本情報市場での評価 北海道などから入荷してくる。他のイガイ類と混ざっていて、単にムールガイとして売られている。安い。
 漁法
 産地 北海道選び方持ち重りがするもの。殻が硬く閉じているもの。硬く閉じるもの。生きのいいもの。味わい旬は不明
 春から夏にかけて入荷してくる。
 貝殻はやや硬めながら、薄く簡単に割れる。
 表面の汚れと、岩などに付着するための足糸を抜いてから料理する。
 足糸などは残る場合が多いので、いちどゆでこぼしてから改めて抜き取る。
 炊き込みご飯にするときは剥いて、足糸などを除去する。
 身は火を通し過ぎると著しく縮む。
 濃厚な旨みがあり、いいだしが出る。
 ■ イガイと共通。栄養ー危険性などー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)料理法蒸す(ワイン蒸し、酒蒸し)、炊き込みご飯、いり煮、塩ゆで、バター焼き、スープ(ブイヤベース、トマトスープなど)、汁(みそ汁、潮汁)
 
 蒸す 丸のまま酒蒸しや茹でて酢の物や酢みそ和えにするのがうまい。
 身に甘味があり、プックリとしっかりした食感、噛むと大量の塩味のエキスが口の中に広がる。
 炊き込みご飯 炊き込みご飯にすると絶品。貝殻を外して、足糸(岩に付着するための糸状のもの)を抜き、適当に切って、ささがきゴボウ、ニンジン、油揚げなどとご飯に炊き込む。
 いり煮 イガイとナス、ヒジキなどと炒り煮、煮つけにすると美味。
 バター焼き ニンニクバターで焼く(ソテーする)のも美味。
 スープ スープにも向いていて、ブイヤベースなどの材料ともなる。
 汁 みそ汁や塩味の汁にしても美味。
 ■イガイと共通。好んで食べる地域・名物料理ー加工品・名産品ー釣り情報ー歴史・ことわざ・雑学などー参考文献・協力『標準原色図鑑全集 貝』(波部忠重、小菅貞男 保育社)、『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)





 
					 
					

