岩手県普代のサケで、塩干しサケ

一般人が作るものなので、平凡なものでしかない


今年は2.5㎏を三枚に下ろした片身で、塩ザケを作る。
味見しながら切っては焼いて、また干して、切っては焼いて、また干して。加減をみながら干し上げて、出来上がりは6切れとお茶漬け用5切れができる。味見した2切れを足すともっと正確な量になる。
我が家の塩ザケには干しの工程が入る。
といっても狭苦しいところに住んでいるので風に当てて枯らすとかではなく、干すのは冷蔵庫である。
製造日数は5日間でしかない。
個人的にはこれで充分だと思っている。
サケを一本買いすると必ず作るもので、ボクにとっては常のものでしかない。
世の中には、究極のとか、伝説の、とかいう薄汚い言葉があるが、そのようなものがうまかった、例しがない。
平凡な人間の、平凡な食事には、平凡な塩ザケがいちばんいいのだ、ボクなんてと言いたい。

日常に塩ザケがあるってとてもうれしいものですね


これで、日々茶漬けを食い、ご飯の友にする。
干してあり、ほんの少しだけ枯れた(曖昧言語)風味がある。
ボク的にはこれで十二分、まんぞく、まんぞく、なのだ。

昔はサケをいただくこともあり、1年に2本塩ザケを作っていたが、今年はこの一本で終いかも。

今年のサケは貴重だけど、雄だし、小さいし


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に岩手県普代から2.5kgの雄のサケが来ていた。
不漁なので今年はサケを買えないだろうと思っていたら、雄だからか、比較的手頃な値段で買えた。
この半身で塩干しサケを作る。

塩加減なんて関係なくべた塩にするだけ


午前9時に、水洗いして(鱗は取る必要がない)三枚に下ろす。
半身をバットに入る大きさに切り、べた塩をする。

表面の塩は流水で洗い流す


何度かひっくり返しなら、午後10時過ぎに表面の塩を洗い流す。
この流し加減がいちばん難しい。

塩をして密閉して、塩を馴染ませる


水分をよく拭き取り、ラップにくるんで1日寝かせる。
このときに塩が均等に行き渡る。

あしかけ5日間で出来上がる


表面に出て来た水分を拭き取り、ときどき干し上がりを見ながら冷蔵庫で干す。
干し上がりは5日目である。


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